「スピードが大事なんじゃない。すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなります」
これは、札幌在住のトラウマセピスト【藤原ちえこさん】が、ご自身のオフィシャルブログの中で紹介している一文です。
現代はスピード重視的な側面が多く、身体の不調や病気の治療も、一気にたたいて改善させようとする傾向にあるように思います。
人生においても、早く結果を出さなければ、早く改善しなくては、と焦る気持ちがわきやすいかも知れないですね。
わたし自身も経験から思います。
少しずつゆっくり変わっていった変化は、定着して戻りにくい。
身体にはホメオスタシス(恒常性)という性質があり、元へ戻そうとするチカラが備わっています。例えば、筋肉にもギューッと強くストレッチすれば、それと同じチカラで元へ戻そうとする働きがあるので、強い筋肉痛のあとは、また硬い状態に戻ってしまいます。
強過ぎるマッサージや整体を受ければ、すぐに元に戻ってしまったり、強く揉み返してしまうし、強い薬を一気に使えば、止めた反動も大きくなってしまいます。
心も一緒です。急にバラ色に目の前が開けるような、天から啓示が降りた気分の経験をしても、日常に戻ればあっさりとその経験は忘れられてゆき、また、そのときと同じような前向きな自分になれないことに、自分を責めて落ち込んでしまったりもします。
むしろ、その時にはよくわからなかったとしても、時間をかけて消化してゆけば、ある時、気付きがやってきたり、別のことを知った時に以前のことがもっと深く理解できたりするものです。
少しずつ、少しずつ、、、例えばコップの水が溢れてしまわないように、ひと匙、ひと匙、ゆっくりと注ぐように、カラダやココロへ起こしてゆく変化は、だんだんと定着していって、
そのうちに気付いたら、「あれ?痛くない!」とか、「そういえば、この頃は症状が出てないかも!」というように、改善していったり、変わっていったり、自然治癒につながっていきます。
藤原ちえこさんのブログにも、そういうことがとてもわかりやすく書かれています。
ブルース先生も同じようなことを教えてくださいました。少しずつ少しずつ何度も身体に経験させることが、痛みの治癒にもつながると。
たとえ痛い所があっても、痛くない所もあること、普通の何でもない感覚や、気持ちのいい感覚、居心地の良さや清潔な気持ち良さも含めて、繰り返し脳に届けることで、痛みが癒され、身体は自信を取り戻してゆけると。
先月からスタートした植物療法の講座でも、先生が同じようなことを教えてくださいました。
長い時間をかけて悪化したものは、長い時間をかけて良くなってゆくこと、そして、慢性の症状で重なって出ていたものはすべて一緒に良くなっていくのだそうです。
セラピーの為に、アプローチする手段がなんであれ、癒しはどれも同じ仕組みでおきていきます。
セラピストはそのチカラを引き出す為に、その人自身の知覚を広げるお手伝いをしているのだと思っています。
なので、変わらないときも(ほんとうは変わりたくないと思っている場合もあるから)、変わってゆくときも、クライアントさんに伴走してゆくことがわたしに出来ることです。
なかなか変わらない(ココロもね!)と感じる時期が長くても大丈夫です。むしろ、長い時間をかけて染み付いたものを変えてゆくには長い時間が必要だし、ちえこさんの仰るように、ゆっくり行くことが、一番の早道です。
そして、別に何の問題がないように感じていても、リラクゼーションを受けること、ブルース先生の言葉のように、気持ちいい経験、心地いい経験を重ねることは、人生の可能性を大きく広げてくれます。
無理のない自分のペースで繰り返すこと、そこから本当のセラピーは始まります。
藤原ちえこさんのブログはリンクがフリーなので、添付しておきます。
よかったらお読みくださいね。いろいろと興味深い専門的なことがわかりやすい言葉で綴られています。
http://premamft.com/blog/1618/