暮らし祈り

季節のしつらい・お正月/目に見えるもの見えないもの

今年も残りわずかとなりました。
我が家もお正月のしつらいが整い、年の瀬の雰囲気が漂ってきました。

先日、葉山のもう少し先、横須賀市秋谷にある古民家「秋谷四季」へ、お正月のしめ縄を作りに行ってきました。
一昨年も参加した講座で、日本の行事・歳時記研究家の広田千悦子さんに直接ご指南いただける、とてもすてきなワークショップです。
 

季節のしつらいは、古典に触れ、暦を意識して過ごすことで、生活がていねいになり、五感を解放して暮らすことは、人間も季節の一部であり、自然の中に生きる生物だということを思い出させてくれます。

季節のサイクルとともに毎年同じことを繰り返しながら、人生を振り返ったり、成長を感じたり、また同じことを繰り返すことのできる幸せを感じたりもできます。

こういう感覚を円環的時間感覚というそうです。
逆に目標を決めてそこへと真っ直ぐに向かう感覚は直線的時間感覚。

情報化社会で、時の流れが速く、次へ次へと突き進んでゆく感の強い現代では、ふと立ち止まって、ゆとりとおおらかな時間を持って生きることは、人間らしい豊かな人生のために、とても大切なことだと思います。

季節のしつらいの中でも、特にお正月の飾りには、目に見えるものと目に見えないものの祈りの形があります。
五穀豊穣への願いと感謝を込めた形。
生活の場に聖域をつくり、歳神さまへ捧げる祈りの形。

 

日本は、こうした古代・原始からの習わしが伝承されている国で、私たちはそうした特徴のある国に生まれ住んでいるのだとお聞きして、これからも、季節のしつらいを大切にしてゆきたいと、改めて感じました。

こうして、ていねいな暮らしについて書いていると「日日是好日」の本にあった文章が頭に浮かびます。
表現は違っていても、ほんとうに大切な本質的なことは、みな同じことを示しているなと思います。

『人生は、長い目で、今この時を生きることだよ』

夕日が綺麗な秋谷海岸。今年のしめ縄は少し難しくて、終わった頃にはすっかり日が暮れましたが、高台にある秋谷四季からは、こっくりとした赤紫色の美しい夕焼けが見えました。
写真は一昨年の夕焼けです♡