つぶやき生き方

何かになれなくても、私たちには、生きる意味がある。

お月見、されましたか?
十五夜がとても綺麗でしたね。

6年前の中秋の名月を屋久島で見たことを思い出します。月明かりを映して海が銀色に輝いて、明るいけれどやさしくて、秋の夜の澄んだ空気の中で、とても長い時間を過ごしました。

地球がさみしくないようにと、夜を照らす月が一緒に創造されたと言われている、姉妹のような地球と月。

そんな話を聞くだけでも、宇宙には愛しか存在しないといわれる意味がわかるような気がしてきます。

先日、樹木希林さんが旅立たれました。
希林さんは憧れの人です。

希林さんご自身も、映画の中の希林さんもとても好きです。希林さんの言葉も、希林さんが演じる役の言葉も、わたしの心の琴線に触れて、時に泣かされ、時に笑わされ、時に励まされ、とても大切なものを残してくれたと思っています。

なかでも、映画『あん』で演じた徳江さんは、生きるのが苦しかったときに、わたしを支えてくれてました。映画の中の架空の人ではあるけれど、希林さんを通して存在していた人のように感じています。

人は思春期のころから、また、大人になっても幾度となく、自分が何かにならなければいけないような、何かにならなければ価値がないような、そんなふうに思い悩む時間を持つときがあると思います。

フリーランスになってから、ちょうどそんなことを思い悩んでいた頃に上映されていたのが『あん』でした。

スクリーンの中の徳江さんの言葉は、わたしの心に深くやさしく染み渡り、悩みを溶かしてくれました。

私たちはこの世を見るために、聞くために、生まれて来た。・・・だとすれば、何かになれなくても、私たちには、生きる意味があるのよ。

徳江さんのこの言葉を、忘れることはありません。

希林さんを偲んで、再上映されることになった『あん』。
新たに制作されたポスターにも、この台詞は書かれています。

徳江さんを語るにはこの台詞だけで十分なくらい、生き様が映し出された言葉です。そして3人で桜を見上げている新しい写真は、この台詞のようにとてもナチュラルでやさしい。

月も希林さんも、わたしが闇の中に光を見つけるのを助けてくれる存在です。

どちらもずっと大切、、、夜空を見上げればいつでもそこに月が在るように、希林さんもわたしの中にいつまでも在り続けると思います。

希林さん、ありがとうございました。
同じ時代を生きられて幸せでした。


28日からイオンシネマで上映されます。この辺りだと海老名が近いでしょうか。興味があったら是非、スクリーンで観てください。