わたしたちは誰でもが、命の終わりに向かっています。
それと同時に、カラダは全力で生きることへも向かっています。
どんなに疲れきっていても、どこかが痛くても、
何かに打ちひしがれていても、
深い悲しみを抱えていようとも、
身体の中では、たくさんの細胞が今を生きようと全力で活動しています。
日々、クライアントさんの身体に触れさせていただいていると
その方の生きるチカラ、鼓動に触れて
優しい静けさの中の力強さに、生命の神秘を感じて、感動します。
先日、新聞のコラム「がんとともに*子どもたち」という特集で、
ある小学生の女の子の記事を読みました。
腎臓がんの手術をした女の子は、お腹に大きな傷が残りました。
辛い治療を乗り越えて、学校へ戻った彼女は
病気の前とは違う健康状態でありながらも
挑戦をためらわず、ダンスに熱中します。
お腹を出した衣装で踊ることを楽しむ彼女は、傷を隠しません。
ある日、同級生に傷のことを、からかわれた彼女は
みんなの前に立って言いました。
『この傷はわたしが生きるために出来た傷、わたしの勲章を笑わないで!』
なんて、力強いメッセージだろう!
わたしたちは外側の見えるものにとらわれがちですが
たとえ、生きるために何かが犠牲になっているように見えても
その内側では、細胞たちが、絶妙なバランスをとりながら
美しいアンサンブルを奏でています。
痛みにとらわれてしまった時、
感情があふれて止まらない時、
レッスンで、いつもみなさんのカラダに語りかけている言葉を
思い出して、感じてみてください。
自然に起きている呼吸の動き、
心臓の鼓動、腎臓の温かさ、
全身を流れる血液のリズム、
どんな時でも、どんな状態であろうとも
カラダはあなたを包みこむ安全なシェルター。
わたしの手は、聴いています。
あなたのカラダの中にある、生命活動のあたたかな音色を!