ラグビーのワールドカップが、南アフリカの勝利で終わりました。
大会中、日本チームの個人個人の在り方やチームとしての在り方を見て、深く感じ入ることがありました。
多様性について。
目に見えることの違いだけでなく、本質的な多様性って何だろう。
その本質を、日本のチームからもラグビー全体からも、見たような気がします。
様々な個性が共に存在しながら、自分を生かし他を生かすことで、全体としての成長や進化を可能にする。そしてそれは、とてもフェアで美しいバランスを伴っていました。
多様性のある世界の方が、生きものは絶対的に生きやすいし強い。それは自然界に学ぶと一目瞭然です。
昨年に引き続き、20年来のお付き合いのあるメーカーさんの農場を訪ね、野菜づくりを見学させていただいてきました。
生命あるものを感謝して丸ごといただく一物全体の考えをベースに、安全で美味しい野菜を自然農法で作る取り組みを実践している農場では、よくある畑のように単一の野菜がたくさん並べて作られる姿はなく、多種多様な野菜が植え付けられています。
そうすることで、無農薬でも病気や虫に強い美しい野菜が出来る。家庭菜園のポタジェはその良い例なのだそう。
ポタジェとは、野菜や花、果物やハーブを織り混ぜて一緒に植えることで、植物の生育を促し、害虫から守り益虫を呼び込むスタイルの家庭菜園のことです。
周りを見ると、人工林の松林は、松食い虫の食害で上の方にしか松葉がなく不自然な姿でしたが、自然の広葉樹林の広がる場所はそれぞれの樹木が生き生きとした豊かな森林をつくっています。農場はそんな自然からの教えを具現化していました。
多種多様な種が共存することで、補い合い、支え合い、お互いを生かすことが出来る。これは自然の成り立ちを見れば、当たり前のことなんですね。
人間はつい、思考や感情で区別したり、排除したりしがち。
人間も個性豊かな人々が、共存している方が、補い合えて、本来は生きやすい。
その一番小さな単位のコミュニティが家庭なんだと思います。
いろんな性質、才能を持ち合わせている方が、バランスがいいのです!
仲間づくりもそうですね。
気の合う同じ資質の人で集まれば、意見の食い違いは無いかもしれないけれど、偏っていきます。いろんな個性や資質がある方が、豊かなチームになる。
そんなお手本と京都で出会いました。
念願叶って、浅田真央ちゃんのスケートショーを観てきたのですが、真央ちゃんのショーには多様性が存在していました。
メンバーそれぞれの豊かな個性を輝かせながら、お花畑のような全体の美しさも目指した、と語ってくれた真央ちゃんのつくりだす世界観は、スケーターが個性を十分に輝かせながら、感謝の想いというテーマのもとに、それぞれの個性が協奏していて、ひとつのショーとしての完成度の高さに、とても感動しました。
多様性の中で、それぞれが成長し、全体としても進化してきたことが垣間見られ、それはそのまま、これからの社会の在り様を教えてもらったような平和な空気感がありました。
サンクスツアーを始めた頃、なかなか練習が進まない仲間に、自分の想いを泣いって訴えていたのを思い出します。今回のメイキングを見ていたら、真央ちゃんが仲間に、間違えてもいいから思いっきり自分を表現してみて、と楽しそうにリクエストしていて、仲間の個性を活かしたいという想いが伝わってきました。
自分を安心して表現できる自由がある素晴らしさ、お互いをリスペクトしている姿勢、多様性の精神を支えるものは、思考や感性の違いを受けとめる寛容さと、見えている現象の向こう側にある見えないものへの想像力が必要なのだと感じました。
優劣ではかること、人と比べること、そんなことには何の意味もなく、自分の内側の声を聞き自分を満たしていけば、生命力が自然と湧き出して、生き生きとし、周りをも元気にしていく。
そして、自分と違う個性を持つ他者が側にいてくれるからこそ、共存し成長し進化していけるのだと、様々な場面で、多様性という精神性にふれることを経験した今年の秋🍁
個性を大切にし合える仲間づくりへと、想いが馳せる秋でもありました。
寛容さと想像力を自分の中に育てていきたいと強く想いました。