レッスンで、わたしが生徒さんにかける言葉に「からだの中の動きや起きていることを感じてみる」「それをもう1人の自分が外側から眺めている」と言うのがあります。
ロルファーYukiさんの著書「ヒントは自分のカラダのなかにある」の、”からだは自分のものでありながらも、少しだけ異なる双子のような存在“ に通じる声かけです。
わたしの場合は、外側から眺めるイメージは、ドローンのようなもので少し離れて、全体を眺めているような、そんな感覚です。
これは、カラダを上手に使う為にも、感情と上手く付き合う為にも、とても大切にしている視点です。
以前、Yukiさんがシェアしてくださった、舞踊家の田中泯さんの言葉に
「『我を忘れて』なんて言葉がありますが、それではいけない。何が起きているか、自分が何をしているかを知っていなくてはならないんです。」というのがあります。
女優の大竹しのぶさんは「演じている時、冷めたもう一人の自分が見てる。それがいなくて全部役に入ったら気持ち悪い。」
石田ゆり子さんも「役に自分を明け渡さない。」
とおっしゃっています。
まさに、自分の内側や役へ集中する自分と、外側から眺めている自分がいることが表現されている言葉ですね。
全部が踊りや役に入りきってしまったら、観客を置き去りにして、ただの自己満足で終わってしまうし、役が自分になってしまったり、役が自分を超えてしまったら、どれが本当の自分か、わからなくなってしまいそうです。
感動を与えられるパフォーマーは、入りきっているようでいながら、常に自分が何をしているか、外側から眺める視点を持ち合わせているんですね!
カラダでこれが出来るようになると、ココロのことでも、俯瞰できるようになっていくように思います。
そして、俯瞰できるようになると、気づきが生まれてきます。
「気づき」・・・気づくことは、習慣やクセを手放し、カラダ(ココロも)が本来持っている心地いい状態へ目覚めていくための、重要な鍵の一つです。
気づかなければ、何を手放せばいいのかがわかりません。
日常で何かに集中している時、ふと、カラダを感じながら、ドローンのように少し離れた視点で眺めてみてください。
えーっ!こんなことをしてた!こんな姿勢でいた!と、自分でも驚きの発見が隠れていることがあるかもしれません♪
感情も、怒っているのか、困っているのか、モヤモヤとしたものを俯瞰できると、揺さぶられたものがなんなのかがわかるし、それがわかると解決するアイデアも浮かんでくるものです。
気づかずにしていた姿勢を発見できたことで、股関節の痛みの原因になっていた癖に、気づけた生徒さんもいらっしゃいましたよ!