定期的にパーソナルレッスンとタッチワークセッションを受けてくださっている、久保雅美さん。雅美さんとのレッスンは、もうすぐ1年半ほどになります。
最近プロフィール写真を撮影されて、FBでもステキなお写真を拝見していました。
先日、レッスン後に、動きがカラダのシステムと繋がると、フォルムも仕草も、自然と美しくなるという話をしていて、
『今回、いい感じに写真が撮れたのは、ボディがベースにあったからだと思う』と、メッセージをくださり、『実はこんな1枚もある!』と、とても素敵な写真を送ってくださいました。
思わず「わああ〜♡」と声が漏れた、写真です。
『季代さんのレッスンが生きていると思うのだ!(カメラマンさんの言うとおりに)ポーズを取りながら、レッスンのキューを思い出す感覚があったから』と、くださったメッセージを読んで、私も、レッスンで重ねてきたことが、自然に生かされていると感じました。
この写真を雅美さんは、『なんかいい雰囲気』と表現されました。その、なんかが、なんなのかを、雅美さんへ向けて書こうと思ったとき、これは、他の人にも読んでもらいたいな、と思いました。
ここまでを振り返ってみるのに、良きタイミングのようにも感じたので、振り返りも含めて、写真の掲載とともに、ブログで紹介することを了解いただきました。
雅美さん、ありがとうございます!
【小さな成功体験の積み重ねで身体が自信を取り戻す】
最初にレッスンを申し込んでくださったきっかけは、腰痛でした。共通の友人が、『季代さんのレッスンを受けると、みぞおちから脚のようになるよ』と紹介してくださって、まずは腰痛をなんとかしたい!というリクエストでした。
痛みって、なかなかの強いストレスです。痛みは巻き込まれやすい。なので、痛いって感じていると日々のタスクがこなせない場合は、感覚を閉じてしまうこともあるくらいです。
身体のどこかに「痛み」があると、どうしても身体とうまく付き合えない。身体を敵のように感じてしまう。そうなると、身体は自信を失くしていきます。
最初の頃、レッスン中またはレッスン後に『気持ちがいい』という感想がよく聞かれました。この、『気持ちがいい』を受け取っていくことで、たくさんの気づきが出てくるようになりました。
それは、ほとんどが、身体の声を言葉にしたもので、と同時に、自分自身に届けられずにいた心の声でもありました。それを一つ一つ、聞くことに向き合っていくうちに、ある時から、痛みから解放されていきました。
その頃、雅美さんから『心の変化が大きいよ!季代さん!』とメッセージが届いています。
レッスンを重ねるごとに、感覚や知覚と繋がりやすくなり、気持ちよく動けることが増えて、それは、日常の動きへと波及していきましたが、ここで、雅美さんの日常の意識の仕方に、変化を起こしていった大切なヒントがあります。
レッスンで伝える、身体の動かし方のアイデアの中から、自分によく響くものを選んで、日常のいろんなシーンで活用していたことです。
感覚のアイデアをラベルに貼って(私の師の言葉を借りると)、その時々に合うラベルを自分で引きだして、動いてみたり、呼吸してみたり、ただ居てみたり、そうやって身体へ何度も経験させて、小さな成功体験を積み重ねていきました。
日常が変わると、身体の変化は定着していきます。
時々、何かしらのエクササイズを習っている方から、レッスンの時はできるけど、日常で再現できない!という声を聞くことがありますが、レッスンでできていることを、環境が変わっても再現するためには、感覚と共に動けているかが鍵になります。
こうして、レッスンでも日常でも、快に繋がれるようになり、不快がわかるようになっていきました。
快がわかると不快がわかるようになります。自分にとっての最適さに繋がる、パズルのピースが見つかってきたのです。
歩かなきゃではなく、歩きたいと思うようになり、歩きやすさで感じていたカラダの変化は、確実に動きの質を変え、カラダのフォルムも美しく変えていきました。
撮影前の準備の時に、ご自身で身体のフォルムの変化を目にできたことも、身体がより自信を取り戻すことにつながったと思います。
自信を取り戻した身体は、全身からイキイキとした表情を放ちます。
【自分の身体の最適さにくつろげることと情報のキャッチ力】
とてもナチュラルにリラックスしている姿は、見ている人にもリラックスが伝わりますねー。ずっと見ていたくなります。
身体が心地よさそうだし、外側の世界とも調和して見えます。
ちょうど最近、「意識(心)は、身体の内側と環境にまたがって存在して、広大なネットワークをつくっている」という言葉を読みました。
レッスンで練習している、内側にある感覚と外側から受ける刺激(重力や空間)を調和させて動くことと通じている言葉。
まずは身体の境界線である皮膚の内側に心地よく居られること、その上で、外側にある重力や物質的なもの、空間といった刺激を受け取ってコミュケーションできたとき、自分の身体の最適さが引き出され、感覚と共に動くことができます。
スポーツ選手がリラックスすることで自分のパフォーマンスを発揮しやすくなるのと同じですね。
自分を包む空間が広がれば、場をやわらかくホールドできますし、自分に安心感をもたらします。
この写真は視線がホントに柔らかい。天井の向こうに広がる空を見ているようです。リラックスして床や壁に身体を委ねることができていたのだと思います。
カメラマンさんのアイデアで指示に合わせて取ったというこのポーズについて、『レッスンのキューを思い出す感覚があった』と話す雅美さん。
この言葉は、ちょっとしたシュチュエーションが似ていたことがきっかけで、感覚から動くことができたということを語っています。
姿勢を支える深層にある、筋肉や筋膜などの組織の連携は、どこかにスイッチが入るとスルスルっと全身へ瞬時に伝わって繋がっていきます。頑張らなくても、身体の最適さが引き出されたうえで感覚や知覚から動けると、身体には余裕が生まれます。
そうなると、カメラマンさんからの指示や外側にある刺激から多くの情報を受け取ることができて、表現力にもつながっていきます。
それにしても、雅美さんにこのポーズを提案して、この空気感と、表情を導き出したカメラマンさんの直感力と身体性にも、興味津々、お会いしてみたい!笑
そう言えば、雅美さんが対人支援のお仕事の現場で、ちょっと混乱が起きた時に、呼吸の誘導をしてリラックスへ導けたことがあり、その時に何が起きたかを解説したことがありました。
その時も、レッスンで聞いていた声とリズムを思い出しながら、相手を観察して、呼吸が落ち着いていくのをキャッチ出来たとおっしゃていました。
緊張下でも、ケアする側が、自分の身体の中にしっかりと存在して、自分の感覚と繋がっていることは、それだけで、ケアされる側にもたらす安心と安全は計り知れないほど、大きなものになります。
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ちょうど、この記事を書いている時に、とある、英文の研究資料が目に入って、キーワードから、なんとなく、この記事に書いていることと通じている気がして、私の師であるロルファーYukiさんに翻訳をお願いして解説していただきました。
その際に、この記事の概要に触れることをやり取りして、返信をくださったYukiさんの解説の中の言葉が、私の中で散らばっていた書きたいことを、統合してくれました。
本文中にも書いた、環境が変わっても身体が自分の最適を発動できることを、Yukiさんは、『自分は常に自分、周りの数字は変わっていくし、それによって式も解も変わるけれど、自分は常に同じ。定数のように。』と数学に例えて表現してくれました。
どんな環境下でも自分が定数でいられるように、自分の身体を育くむことは、身体の可能性が広がっていくことへ通じます。私が長年、Yukiさんから習っていることの要の一つであり、私が生徒さんやクライアントさんへ手渡していることのエッセンスです。